京大世界史入試問題 解体新書

            〜2002(平成14)年 2月実施(全4問題 100点満点)〜
                                   

第3問(配点20点)


 17世紀に入ってオランダ、イギリス両国は、いちじるしい対外発展を開始した。このことを

 背景として、以後17世紀末までの両国の関係について300字以内で説明せよ。解答は所

 定の解答欄に記入せよ、句読点も字数に含めよ。


☆ 解答例


 イギリスとオランダは、ともに東インド会社を設立して海外へ積極的に進出すると、貿易の

 利益をめぐって対立するようになった。オランダは、アンボイナ事件でイギリスのモルッカ諸

 島への進出を阻止したが、イギリスは、クロムウェルによる航海法の発布によって、オランダ

 船をイギリスの貿易から排除した。これを契機に、ついに三度にわたる英蘭戦争が勃発した。

 この戦争でオランダはイギリスに敗れ、また北アメリカの植民地ニューアムステルダムも奪わ

 れた結果、海上権を失い衰退に向かった。しかし、17世紀末イギリスで名誉革命がおこり、

 議会がオランダからオラニエ公ウィレム夫妻を国王に招いたことで、両国の関係は友好的な

 ものになった。(298字)


☆ 出題分野・テーマ


 17世紀におけるイギリス・オランダ関係史


★ コメント


「タテ(年代)とヨコ(地域)のキーワードを並べてみよう。東インド会社(17世紀初、アジア貿易)、

 アンボイナ事件(1623年、東南アジア)、航海法(1651年、英本国)」、英蘭戦争(17世紀半ば

 〜後半、ニューアムステルダムがニューヨークに改称<第2次英蘭戦争で>)、名誉革命

 (1688年、英王にオランダ総督が即位)。年代は短期間だし、地域もはっきりしているので『易

 しい論述問題』の典型と言えよう。

 注意して欲しいのは、英蘭両国の同君連合の関係はウィリアム(オランダではウィレム)一代限

 りということ。あと、オランダの総督は世襲の君主で、後のアメリカ大統領に近いものだったとい

 うこと」


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